かがやきインタビュー(早瀬久美さん)


かがやきインタビュー(早瀬久美さん)
/ろう者で初めて薬剤師免許を取得した早瀬久美さんへのインタビュー(その4)です。

◆石川絵理
☆早瀬久美さん

早瀬久美さんへのインタビュー(その1)はこちらでご覧下さい。
早瀬久美さんへのインタビュー(その2)はこちらでご覧下さい。
早瀬久美さんへのインタビュー(その3)はこちらでご覧下さい。
☆ もう1つ、今、薬剤師として働いていますが、一緒に働いている方や他の薬剤師との出会いもあります。
☆ その方々も欠格条項撤廃運動のことは覚えているので、それぞれで私以外に聞こえない薬剤師がいても一緒に働くのはOKという気持ちを持っている人が増えてきているという面では、聞こえない人だけの運動ではなく、聞こえる人も巻き込んだ大きな運動だったのが今こういう結果として出ているんだなと実感しています。
◆ もしまだ法律が変わってなかったら今ここに薬剤師としての早瀬さんもいないし、他の聞こえない薬剤師もいなかっただろうし、さらには聞こえる人たちも「まだまだ仕事が出来ない、ダメ」と言っていたかもしれないですね。
◆ そういう意味ではやはり大きな運動でしたね。お疲れさまでした。
☆ いえいえ、助けていただきありがとうございました。
◆ 欠格条項撤廃運動のおかげでやっと薬剤師免許を取得して、新聞にも載りましたね。
◆ 免許をいただいた時の感動は大きかったと思うんですが、そのお話をしていただけますか。
☆ その時に思ったことは「ああ、やっと自分の夢に近づいた」という喜びの気持ちでした。
☆ もちろん私だけではなくこれから皆にとっても明るい、道が広がる、本当に良い運動をやってきたなという嬉しい気持ちと、もう1つは当時の厚生労働大臣の坂口力さんですね。
☆ いつもテレビで見ていたので、実際にお会いできるというミーハーな気持ちとがありました。
◆ そんな一面もあるんですね。
◆ やっと薬剤師免許を取得しましたね。
◆ でもそれで終わりというわけではないですよね。
◆ その免許を生かして、本格的に薬剤師の仕事を始めることになると思うんですが、今までどういう仕事をされてきたか教えてください。
☆ 薬剤師免許を取った時は、製薬会社に勤めていたんです。
☆ その時は新薬の副作用の問題について調査をする仕事で、それは薬剤師というよりは他の学部学科で勉強した人も一緒になって仕事をするので、薬剤師の資格を生かす仕事ではなくどちらかというと薬の知識を使う仕事で、薬剤師の免許を取った時にその資格を生かせるのが病院もしくは薬局なんです。
☆ 製薬会社も良い仕事だったんですが医療現場の仕事をやりたいと思うようになって、製薬会社を辞めて、まずは薬局に入って働いたんです。
☆ その時、薬局では久しぶりに調剤をやったので、いつもいつも緊張していました。
☆ でも「これがやりたかった!このために薬剤師の免許が要るんだ!嬉しい」という気持ちが大きかったですね。
☆ でも薬局に入った後、今勤めている病院で聴覚 障害者外来という聞こえない人のための外来を始めるということで、一緒にどうかと誘われました。
☆ 調剤 薬局の仕事も良いけど、病院の仕事も普段なかなか募集しないので今その時がチャンス!と母が言ってくれたおかげで、病院に替わろうと決めて、3年目です。
◆ お母様のアドバイスは人生の節目で大きな支えになってるんですね。
☆ 本当にそうですね。
☆ 普段はうるさく言われないのですが大事な時にポーンと背中を押してくれるんです。
◆ いいですねえ。
◆ 調剤 薬局と病院の窓口の違いは何ですか?具体的に教えてください。
☆ 調剤 薬局の場合は、病院に行って受診した後にもらう処方箋。
◆ 処方箋の手話はこうなんですね。
☆ 処方箋の紙を持って薬局に行って薬を作ってもらう。
☆ それが調剤 薬局の役割。
☆ 病院の場合は、今はほとんどが外の調剤 薬局に行くので、病院の中では外来の人ではなくて入院患者さんのためのお薬を作ることが多いです。
☆ 中身も飲み薬は外来と大体同じなんですが、病院の場合はさらに点滴とか注射とか抗がん剤を作ったりとか色々幅広くやるという違いがあります。
◆ なんとなくイメージとしてはわかるんですが、私がいつも会うのはやはり調剤 薬局のほうなのでお話を伺って初めて知りました。

次回に続きます。お楽しみに!


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